あえてタイトルを平仮名にしているのは、おそらく発表当時には「くだんのはは」から「九段の母」(という歌があるのだ。若い方々はご存じないと思うが)を連想させることで、読者をミスリードさせる意図があったと思う。
その意味から言えば、本書はカバーイラストからしてネタバレであり、書籍編集の面では失敗していると思う。ちょっと残念だ。
なお、「新潮カセットブック」版(表題作1編のみ朗読)は、少なくとも私の所有しているものには「完全朗読版」等の表記が無く、差別語とされる言葉が用いられた1行がカットされている。
視覚障害者が聞く場合に配慮したためと思われるが、結果的に、重要な伏線のひとつが無くなった状態になっており、取り扱いには注意が必要である。