フランスに行った事(短期であれ、長期であれ)のある日本人はこの本を読んで、なるほど合点!という部分が多々あるはずだ。この本はイギリス人の視点で見たフランスの国情、そしてフランス人のメンタリティーをコメディータッチで綴ったフィクションであるが、その内容はフランスを訪れた我々日本人も含む外国人たちが共通して経験する事だらけなのだから。
しかし、さんざんフランスをコケにしたこの本を読み、待てよと自問自答することになった。視点を変えれば、逆も同じではないのか。フランス人からイギリス人を、日本人を見たらどんな「クソ」が目に入るのだろうか? 私はパリで犬の糞をフンづけた経験があって、途中までは読んでいて溜飲が下がる思いはしたが、後半では、自分たちの権利を堂々と主張し、国民の迷惑も顧みず? ストライキを決行できるフランス人たちのバイタリティーと活性が本当にうらやましくなった。
フランス人をコケにしている我々に、そんな活力があるだろうか? 派遣社員だ、非正規社員だと、隷属的に労働力を安値で売らされているワーキングプアを生み出している国で何も言わずに耐えている悲しい国。そんな国より、たとえ糞まみれになっても、堂々と言うべきことを言える国がもっと人間性が豊かではないのか。
ガイジンは付き合ってみると欧米、アジアを含めて、一筋縄ではいかない人たちだ。でも人間として見ると実に魅力にあふれている人たちなのだ。その事に気付かせてくれる本である。
評点を満点にしなかったのは、訳文に多少品性が落ちる部分があったから。もちろん原文がそうであったのかも知れないが日本人向けとしては考えた表現にしてほしかった。