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くじら取りの系譜―概説日本捕鯨史 (長崎新聞新書 (001))
 
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くじら取りの系譜―概説日本捕鯨史 (長崎新聞新書 (001)) [新書]

中園 成生
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

いつの時代も日本人は、寄鯨を、海からもたらされる贈り物としてありがたく受け取ってきた。感謝と畏怖、そんな思いが日本の捕鯨の伝統や文化を育んできた。しかしそれは今、ややもすれば感傷的な自然保護や狭隘なナショナリズムで語られてしまう。はたして日本人は鯨とどのように関わってきたのか。かつて西海捕鯨の拠点として栄えた長崎県生月島に暮らす著者が、日本捕鯨の歴史をたどる。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

中園 成生
1963年、福岡市生まれ。熊本大学民俗学研究室卒業。現在、長崎県平戸市生月町の博物館「島の館」学芸員。生月の文化である捕鯨やかくれキリシタンをはじめとする民俗研究に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 223ページ
  • 出版社: 長崎新聞社; 改訂版 (2006/07)
  • ISBN-10: 4931493718
  • ISBN-13: 978-4931493711
  • 発売日: 2006/07
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.8 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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By 放蕩息子 VINE™ メンバー
形式:新書
私が本書を手にした理由も、また本書を人々に広く推薦したいと思う理由も、実は既に本書の巻頭に書かれてある。曰く、

>捕鯨の是非を問う前に、「日本人がこれまでどのようにクジラと関わってきたか」という
>点についての情報があまりにも少なく、また多くの人々に十分な情報が行き渡っていない
−中略−
>今日の捕鯨の有無についての議論は、そのため「可哀想だ」という感情論や、「日本叩き
>だ」というナショナリズムに置き換えられるような極めて底の浅い内容に終始してしまっ
>ている。

至極もっともである。

良識ある人であれば誰でも、安易に「捕鯨反対」や「賛成」を叫ぶ前に、まずは立ち止まって冷静に、我が国の捕鯨と鯨肉食の歴史を学ぶべきだろう。そうすれば、明治後半からの近代捕鯨の以前には、我が国でも西日本を中心とする一部地域以外には鯨肉食の習慣が広まっていなかったことや、とかく「完全利用」が喧伝される我が国の“伝統的な”鯨利用についても、実は古式捕鯨の前期にはもっぱら製油が目的で、欧米の捕鯨と同様、肉や内臓の多くが捨てられていた事を知って、驚くことになるかもしれない。あるいは逆にまた、最近話題のクジラ肉の“横流し”についても、それは「カンダラ」や「シオケドリ」などと呼ばれる、古式捕鯨時代からの風習との関連を考慮すべきものであることにも気づくはずだ。
「賛成」と「反対」との間には無数の、より妥当な回答が埋もれているのである。

ただ本書は決して、捕鯨の是非を論じたものではない。だから本文では、現代日本における捕鯨の是非には一言も触れられていない。ただ淡々と、九州西部海域の古式捕鯨を中心に、我が国における捕鯨と鯨利用との、多様な展開と歴史とが叙述されている。歴史を知った上で将来を選択するのは、読者たる我々の役割であるからだろう。

「賛成」であれ「反対」であれ、我が国の捕鯨に関心を持つのであれば、まずは一読をお奨めしたい。議論は十分な歴史認識をベースに行なわれるべきだからだ。
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By FreshAir 殿堂入りレビュアー トップ10レビュアー
形式:新書|Amazonが確認した購入
日本の捕鯨の歴史を紹介した本。ここのレビューを読んで面白そうだと思って買った。地方によってかなり差はあるものの、主要な漁場を中心にみるとざっと以下のような歴史をたどったようだ。

・縄文時代:イルカは獲っていた跡がある。鯨については骨は出てくるものの漂着したものを利用しただけではないかという意見もあり、はっきりしない。
・弥生時代と古墳時代:銛で突かれた鯨の線刻図や、銛先や鯨の骨を利用した道具が出土する。
・中世:積極的な捕鯨の記録は無い。流れ鯨や寄鯨の利用の記録はある。鯨油の記録や、室町時代には鯨料理の記録もさまざまな書物に登場する。
・アイヌ:鯨、アザラシ、イルカを捕獲していた。
・戦国時代後期:古式捕鯨時代の幕開け。突取捕鯨法。知多半島の師崎が今のところ一番古い。17世紀中期までに紀伊半島、土佐、安房、西海の四大漁場が開拓。
・17世紀:戦乱が収まり、鯨油などの需要が増えて輸送航路の安全確保と整備も進み、消費が拡大。突取組の捕鯨業が全盛期を迎える。
・17世紀後半:太地で網掛突取捕鯨法が確立。網組みの組織化が進む。
・19世紀中盤:欧米の捕鯨船進出で、鯨漁の不漁が慢性化。鯨組が次々経営不振になる。
・19世紀後半:ジョン万次郎が欧米式の捕鯨を進言。日本周辺に進出した各国捕鯨船が寄港地を求めて日本に開国を迫る。
・近代:ノルウェー式砲殺捕鯨法が広がる。

捕鯨の伝統は主に西日本が中心。魚の定置網に鯨がかかることはよくあった。赤肉より白肉の方が人気があった。江戸時代に鯨油は農薬としても利用された。網組は大きなチームが必要で、その経営には1シーズンだけでも数千両が必要だった。捕鯨見物の記録、捕鯨や鯨にまつわる各地の伝説や芸能の紹介もある。興味深く読めた。
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