小学校時代の私ときたら、授業はいつもうわのそら。国語の時間は教科書の挿絵に落書きを加えて遊んでばかり。
今、大人になって、この本を手にした時、国語の教科書にはなんといっぱいの宝物がつまっていたのかと知りました。
しかし、不真面目な生徒であっても記憶の片隅にひっそり残っていた、「じょいやさ じょいやさ」という地蔵たちの掛け声(『かさこじぞう』)やがまくんのふて寝(『おてがみ』)との再会は実に嬉しく、童心に帰るひとときを味わいました。
この本は前回の『
おとなを休もう』と同じく、編者の石川文子さんの丁寧な編集が光っています。
各作品との間に、著者のインタビューや解説がはさまっていて、それが実に読み応えがあるのです。
あまんきみこさんの『きつねのおきゃくさま』や中川李枝子さんの『くじらぐも』が生まれた背景を知ると、作品がなおのこといとおしい存在に思えてきます。
自分が持っているだけでなく誰かにプレゼントしたくなるような良書です。