「もしも、松井玲奈がアイドルじゃなかったら」というコンセプトの元、都内中心に3か月という長い期間を要して撮り下ろされたファン待望のソロ写真集です
本屋店員や一人暮らしでの手料理、ベッド周りで寛ぐ様子(本当に寝てしまい、ガチな寝起きだとか)など日常にありふれた風景を丁寧に切り取ったものから、宵闇を纏った幻想的でミステリアスなものまで時に可愛らしく、時に艶っぽくプリズムのようにきらきらと乱反射する松井玲奈が楽しめます
表現力に定評がある彼女ですが、今作は透明感やナチュラルで飾らない素描に重きを置いており、雰囲気で魅せる玲奈さんにはこの作風はぴったりだと思いました。日常から非日常までまるで万華鏡を見ているかのような色とりどりの魅力が溢れています
これより早くても遅くても出せない、20歳という年齢特有の少女から大人の女性への変遷や危うさ、脆さ、逡巡なども綺麗にパッケージングされています。全編水着と笑顔な「アイドル」の写真集とは一線を画した作りになっていて、どちらかというと「松井玲奈とアートのコラボ」のような印象を受けました。時折アンニュイな表情や泣き顔も見せており、やりすぎない、そこはかとない色香が香る彼女らしい作品に仕上がってます
本人も取材で語っていますが、今作のキーワードは「チラリズム」と「隅っこ」だとか。彼女自身隅っこや狭いところが好きらしく押入れや土管の撮影は楽しかったとのこと。またアイドルでなかったらがコンセプトなので、表情を作らないようにしたらしいです
印象的な表紙は勿論ですが、真紅の水着でプールの水面を揺蕩(たゆた)う姿はなるほどきんぎょだな、と妙に納得です
ちなみに金魚鉢の撮影は水に浮き続けるのが大変で、翌日全身が筋肉痛に苛まれたそう
玲奈さん自身のお気に入りは「金魚鉢」「寝起き」「セーラー服と土管」「モノクローム」らしいです
ポスター付きでこの価格にも満足出来ましたが、多少値段が上がってもよかったのでDVDとか付けて欲しかったな、と思いました
今作を機に彼女のことを余りよく知らない方たちにも認知度が高まればいいな、と思います