これほど執拗にブス、ブスと繰り返す小説をはじめて読みました。
前半、主人公の少女のブス加減がこれでもかとばかりに繰り返されます。
そもそもブスとは なに?
人間の容れものと中身。
人にとっての美醜とは。
その人がその人としてある存在の意味...などなど
扱っているテーマは普遍で正直でまぁ重いのですが
このままだとさすがに嫌になるこのダメ押しのしつこさに
『猫の視点』を挟むことで絶妙なバランスをとっています。
テーマの重さが読者に正面切ってぶつかるのをうまくかわしている。
このあたりが作者のセンスでしょう。
ちよっとズルイやり方ですが(笑)
最後が気持ち駆け足になったのが残念ですが
黒猫ラムセス2世の独白、とくに猫的大阪弁は上等です。
山田詠美 「蝶々の纏足」
木地雅映子「氷の海のガレオン」
という少女期を描いての名作、私の中でのベストですが
そのどちらにもないカラリとした読後が魅力です。