この本の主役は、いわゆる雑種というどこにでもいるごく普通のネコたちである。しかし、ネコには不思議な魅力があり、どこかで静かに人間を観察している。何食わぬ顔をして、また知らぬ振りをして。
そんな普通のネコを探しながら各地を歩いた著者は、景色になじんだ彼らのやわらかな姿態を一枚ずつ写真に記録した。そして「ネコには頭があがりません」と恐れ入る。どこか神秘的で、心を見透かされているようなネコたちに、動物写真のプロも脱帽されたようだ。
そして著者のコメントがまた、いい。ネコに出会えた瞬間の新鮮な喜び、何を考えているのか、狙っているのか、そぶりから想像する楽しみ、顔つきから想像する楽しみ、そういう思いの深さが伝わる文だ。
僕の近所にもいろいろなネコがたくさんいる。みんな個性的で、何かを考えている。明日は早起きして彼らと「会話」してみようか。