12月に出版され、表紙にはロウソクの炎と雪が描かれているので、
クリスマス系の絵本かなと思いきや、これは全く別のものと
受け止めたほうがよいでしょう。
きょうというひに目覚めた少女が、雪で小さな家をたくさん作り、
その中にロウソクをひとつひとつ灯していく。
後はただただ、きえないように… きえないように…
という祈りが続いていきます。
作品中で奇跡的な出来事が起こるわけでなく、
はっぴいな気持ちになるエンディングも用意されていないので、
それを期待して読むと物足りなさを感じる人もいるでしょう。
しかしながら、物語の中ではっきりと完結させないことで、
きえないように…という祈りが、本の中から我々の世界へと
届いてくるのを実感しました。
あえて作為性を排した表現だからこそ成しうる純粋なメッセージは、
国境や宗教を越えてすべての人々に伝わる強さをもっています。