遊女asomeあこがれの江戸文学者 田中優子さんの着物のエッセイです。一年間にわたり雑誌に掲載されたものをまとめたものですが、非常に趣のある着物の本が出来上がりました。田中さんは、アジアの布に造詣が深く、布を表現されるときの田中さんのその布をいつくしむ気持ちがとてもよく伝わってきて、心にしっくりと来るのです。
布には女たちの生活そのものが刻み込まれています。私もアジアの布が大好きなのですが、一枚の布には喜びや愛が織り込まれ、その豊かな美しい表情は、触っていても見ていても本当にいいものです。アジアの布を着物にしていらっしゃる田中さん、ほんとうに素敵な着物たちばかりです。また江戸時代の浮世絵や古い着物の写真がとても素敵です。
知的な味わい、そして見た目も美しく、かなり実用的な着物の知恵も教えてもらえる、非常に貴重な本です。こんな着物の本がもっとあればいいのにと思います。
一月の謡初から十二月の一陽来復にいたる、十二ヶ月のタイトルもとても味わいのある日本語です。情緒も知性も大満足の一冊です。どうぞ皆様ぜひお読みになってみてくださいね。