極めてシンプルな赤と白の文様の表紙を開くと
そこにはあでやかな手仕事の世界が延々広がる。
まさに百花繚乱。夢うつつの世界。
文様を細かくわけ、その特徴を表すものを
主に見開きページ、あるいは1ページごとに紹介、
ページ立てがまず分かりやすい。
同じ朝顔、同じ菊、同じ千鳥。同じ文様を
これだけ多彩に表現することのできる、
日本のきもの文化の深さにまず脱帽。
そして一枚の布に 染め・刺繍・織り…様々な
手技で文様を作り上げる職人の力量に感動。
きもの全体の写真もそこここに入り ため息もの
だが、ほぼ全ページを埋め尽くす
名刺の大きさに満たない文様だけの写真からでも
充分に「きもののすばらしさ」を味わうことが出来る。
どのきもの文様も、職人の息遣いや、届けられた時の
感嘆の声が聞こえてきそうな迫力だ。写真それぞれに
つけられた丁寧な解説も、謎解きのようで面白い。
著者弓岡さんの「昔きもののレッスン12ヶ月」は
私のバイブルだが、昔きものへの熱い思いを
またこの本で感じることが出来、とてもうれしかった。
この本も無人島に持って行きたいほどの
大切な1冊になりそうだ。