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きみはなぜ生きているのか?
 
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きみはなぜ生きているのか? [ハードカバー]

中島義道 , 谷内こうた , 井筒啓之
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 1,260 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容紹介

高校に入学したばかりで、ひきこもりとなった「クライ君」。自分の境遇に対する不満、そしてまったく見えてこない将来への不安などに囲まれて、耐え難い日々をすごしている。そこへある夏の日、「ニーマント」と名乗る正体不明の男から一通の手紙がとどく。「ぼくはきみの味方。これから五日に一度手紙を書くよ」。不気味に思いながらも、クライ君はだんだんと手紙を待ち望むようになる。「過去」「未来」「いま」そして「死」とは、について書かれたその手紙を読み、自分の頭でかんがえていくようになるクライ君。そうしていくうちに、少しずつだが生きることへの勇気が湧いてきたのだったーー。40冊以上の著書をもつ哲学者が、はじめて子どもに向けて放つ哲学ファンタジー。

内容(「BOOK」データベースより)

「ぼくはきみの味方。これから五日に一度手紙を書くよ―」高校生になって、ひきこもってしまったクライ君のもとに、ある日とどいた一通の手紙。そこには少年を勇気づけるように、「過去」「未来」「いま」そして「死」について、つづられていました。死を見つめ、考え続ける哲学者が放つ、哲学ファンタジー。

登録情報

  • ハードカバー: 187ページ
  • 出版社: 偕成社 (2010/6/10)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4038143104
  • ISBN-13: 978-4038143106
  • 発売日: 2010/6/10
  • 商品の寸法: 19.7 x 13.6 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 210,676位 (本のベストセラーを見る)
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14 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
哲学愛憎 2010/11/12
By Tod
形式:ハードカバー
 哲学者でありエッセイストでもある中島義道による哲学入門書、というより哲学童話である。
 主人公のクライ君(本名の磯倉哲はソクラテスのもじりであろう)は高校一年生だが学校へは行かずに自宅に引きこもっている。夏休みのある日のこと、ニーマントという謎の人物から手紙が届き、クライ君を哲学の世界へといざなう。こう書くと昔大ヒットした『ソフィーの世界』を思い出す読者も多いだろうが、あちらが哲学史の本だったのに対しこちらは哲学の本である。
 死、未来、過去、現在、幸福、自殺、自己、等々のテーマに沿ってニーマントが哲学的な問題を提起し、それを読みながらクライ君が次第に引きこもりから立ち直ってゆくというストーリーになっている。おそらくは偕成社が出版する児童書という制約が、「哲学は何の役にも立たない」と常日頃から主張している中島をして、このようなポジティヴな展開と結末を強いたのではあろうが、そこには哲学に対する中島の微妙なスタンスが垣間見られるようで興味深い。
「哲学とは何か」という問いを中島はしばしば立てる。そしてネガティヴな回答を提示する。いわく哲学とは反社会的なものである。哲学をしても何の救いにもならない。むしろ不幸になるだけである。だから哲学などしない方がよい。
 しかし中島自身は哲学を愛している。哲学者として当然であろう。そして哲学に惹かれる若者を、哲学者として育てたいと思っている。その結果悪の道でしかないはずの哲学の世界に、若者たちをいざなうことになる。「哲学は何の役にも立たない」と言いながら哲学の世界へと若者を引きずり込む矛盾。中島自身も自覚していながら解決できないジレンマがそこにはある。
 例えば第五章(この章では哲学ではなく人生論が語られている)でニーマントは自分のやりたいことをやれば後悔することはないと説き、クライ君は自分は哲学をやりたいのかも知れないと希望を持つことになる。そこには若き日の中島自身の姿が投影されているであろう。なるほど中島には哲学の才能があり、哲学者になることができた。しかし哲学で飯が食えるような人間はごくごく限られた人種である。哲学に限らず、仮に自己欺瞞を乗り越えたとしても、自分のやりたいことを仕事にできる人間は例外中の例外でしかない。そもそもやりたくないことをやるからお金をもらえるのであって、やりたいことをやるためにはお金を払わなければならないのが資本主義社会の法則であろう。
 さらに厄介なのは、中島に惹かれる読者が、必ずしも哲学をやりたいと思っているわけではなかろうということだ。本書の主人公クライ君が引きこもりなのは象徴的だが、働きたくないことと哲学したいこととは違う。哲学的な人間は社会に適応できないかも知れないが、社会に適応できない人間が哲学的だとは限らない。何をやってもうまくいかないからといって、哲学の素質があることには全くならない。しかるに実用性とは無縁の哲学、知識の蓄積よりも先入観の排除が要求される哲学は、その能力を測る客観的物差しがないことも災いして、現実逃避の恰好の口実になってしまう。積極的な哲学への欲求と、消極的手段としての哲学への逃避。両者を見分けることは困難だがその差はあまりにも大きい。
「哲学は危険である」と中島はしばしば言う。その言葉は二つの意味で真であると思う。一つは哲学の才能がある者にとっての、現実を破壊する爆弾として。もう一つは哲学の才能がない者にとっての、現実から逃避させる麻薬として。前者は哲学の危険であり、後者は哲学ごっこの危険である。後者の破壊力は前者のそれよりもはるかに小さいかも知れないが、その危険にさらされている人間の数は桁外れに多い。本書が現実逃避の入門書としてではなく、哲学の入門書として読まれることを望む。
このレビューは参考になりましたか?
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 五島雅 VINE™ メンバー
形式:ハードカバー
本書は大きく分けて哲学的部分(時間論)、人生論的部分(死生観、自殺論)に分かれます。

・哲学的な部分について
時間論については、未来、過去、現在についてわかりやすくまとめてあります。
おそらく想定読者は中高校生でしょうが、この程度の難度ならOKだと思います。

・人生論的部分について
一般に「なぜ自殺してはいけないのか?」という問いに対する答えは幾つかのパターンが
あると思います。
ここで筆者は、
(1)自殺したくなるのは世間的価値観に合わせた生活をしなければならないことと、
   自分独自の価値観をつらぬけないつらさを自殺の原因と置き、
(2)後者を貫くことで前者の価値観からは評価されなくとも納得のできる人生がおくれる
   (後者については哲学研究を想定しているようです)と説き、
(3)よって、人生には生きる価値がある
と結論付けています。
この論法は、目新しいものでもないし、また様々な反論もできると思いますが、
読者層を考えると、妥当なところではないかと思います。
(筆者が哲学者だから仕方がないのでしょうが、自分独自の価値観追求=哲学研究という
 色合いの濃さが少し気になりますが)

本書でこの主人公である引きこもりのクライ君のような方が少しでも勇気付けられるなら
(そしてその可能性は低くないと思います)
価値ある一冊と言えると思います。

#それにしても作者にしてはポジティブな本です。
(例えば同じ筆者の不幸論 (PHP新書)、題名だけで苦笑いです)
 別の評者が書いておられるように、出版社側の意向もだいぶくんであるような気がします。
 
 偕成社HP「ごあいさつ」より引用
 「子どもの本は、その人の未来に広がる奥深い本の森への入り口ですが、ただの読書入門編
  として大人になると忘れ去られるのではなく、人生の折にふれて読み返し時に励ましてく
  れる本が、必ずあるはずです」
このレビューは参考になりましたか?
4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By shinsei777 VINE™ メンバー
形式:ハードカバー
中島さんの思索や言葉は、共感できる人とできない人とで、極端に分かれる。

それは、中島さんの思索的な態度や生き方、そして、それらを表現する言葉が、著者自身の体験(そのほとんどは苦悩)に基づいた身体的な言葉だからだ。

本書もその類に漏れない。

著者が、恐らくは、15才の頃の自分自身に語りかけながら、紡がれたであろう言葉は、同じような体験や固有の感受性を持つ青少年にとっては、「ほんの少し」の生きる勇気を与えることだろう。

ただ、そうではない人々、つまり、多数派の青少年にとっては、必ずしも、共感できるものではないように思われる。

私にとっては、共感できる部分が多々あった。

「体育」、とりわけ、「集団で行う球技」についての生々しい感覚、その箇所を読むにつれて、自分のなかに眠る、繊細な感受性が蘇るようでもあった。

必ずしも、青少年向けの文学ではないと思うし、その必要もないと思う。
ただ、感受性の部分でも、扱っている問題についても、中学生以下には、ちょっと厳しい面があるように思える。

生きることに困難を覚えている(た)、ある種の人たちにとっては、響き合うもの、あるいは、懐かしい繊細さを想起させる書ではある。
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