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20 人中、19人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
映画監督だけではもったいない!!,
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レビュー対象商品: きのうの神さま (単行本)
「ゆれる」で三島由紀夫賞候補になった、西川美和さんの3年ぶりの書き下ろし小説です。「ゆれる」は、映画と内容が同じものでしたが、今回は完全なオリジナル小説のようです。 5編の短編から構成されていますが、本当にどの物語も面白く、また強烈な印象を残しま す。よくここまで、人の気持ちの中にある闇の部分をえぐり出せるものだと思います。 「ゆれる」の時よりも、文章の表現能力が一段と冴え渡っているという気がしました。 映画監督としても今後が嘱望されている方ですが、小説の書き手としても、これほどの才 能を持ち合わせている人は滅多にいないのではないでしょうか。
10 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
きのう、確かにいた神さま,
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レビュー対象商品: きのうの神さま (単行本)
離島や僻地、狭い集落の身内意識と閉塞感。そこで、ひっそりと生きる人々。5編の短編に流れるのは、動かし難い現実と 現実に寄り添う者たち、それを受け入れ、揺れを封じ込める主人公の心の在りよう。 ふっと目に映るようにこちらの気持ちに切り込んでくる鮮やかなシーンが、 いくつも、いくつも。 夏祭りの夜店。バスの暗がり。男の口のなかのできもの。 鎖をいっぱいに引っ張って首をのばす犬。磨き上げられた螺旋階段。 看護師に持たせたみやげのジュース。くちゃくちゃになったポチ袋。 ……わたしの脳裏では、そんなものが見てきたようにちらちらしている。 ことばと行為と心の間にある落差がおもしろいし、秀逸だし、 一直線に切り結ばない人間のそこが見事に書かれているのが、いいのだ。 「ノミの愛情」の妻の心情が、スリリングですごく印象的だった。 「満月の代弁者」のサキヨさんのことばが切ないではないか。 「1983年のほたる」は一番好きな話。医療とは関係なく、小学生の女の子が 主人公だが、彼女の目で見た彼女をとりまく世界の昏さにぞくりとさせられた。 ラストで、一瞬のうちに時間がぎゅーんと伸びてこちら側に来るような一文に やられた。
7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
作家としても才気溢れる西川美和のもうひとつの「ディア・ドクター」,
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レビュー対象商品: きのうの神さま (単行本)
映画監督西川美和の新作「ディア・ドクター」は、心優しさとさほんわかとしたユーモアにくるまれながらも実に奥が深い、色々と考えさせられる映画だった。文句なく今年のベスト1を狙える傑作だが、まずは映画を観てから、と封印していた直木賞候補の原作も早速購入。でも、これが短編集なんですね。いささか拍子抜けしたものの、作家としても大変な才気を感じさせる彼女の待望の新刊である。映画の余韻も冷めやらぬ中読み切った。 少女期における微熱的な心の揺らめきと得体の知れない嫌悪感、無医村での代診医が遭遇する老人の町の孤独、思慕する偉大な父親への深い愛情に囚われもがく男。 ちょっとした行間から醸し出される感情の綾。 何気ない日常の隙間から漏れ出してくる深層心理。 彼女らしい人間凝視と洞察力の見事さは相変わらずだ。 彼女自身があとがきで触れているように、本書は飽くまでも、本編の脚本、プロット構築のプロセスから企画、生まれた映画の内容とは別の創作。ただ、伊能治、大竹朱美、鳥飼りつ子と言った映画でのキャラクターは登場し、彼らの後日談ならぬ過去が語られる。 そして、映画では殆ど触れられる事がなかった伊能と年老いた父との関係、彼が肌身離さなかった父のネーム付ペンライトへの想いに、新たな切なさがこみあげてくる。 映画を観て感動した方は押さえておいていい作品だし、本書をまず読んだ方は、是非映画本編をご覧になる事をお薦めしたい。
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