この本には幕内式食事療法;中国食養生「薬膳」;マクロビオティック;アーユルヴェーダ;ゲルソン療法;漢方がゆ、という5つの食事療法が紹介されています。サブタイトルに「体質や症状にあわせて自分にぴったりの食事療法を」とあります。どんな食事療法が有るのか、概要をつかむのには良い本です。記述も客観的で栄養学、医療関係の方で幅広く知っておく必要が有る方には良さそうです。ただ癌患者や家族の場合、自分に何が合うか解らず、がんを治す手がかりになるかと言う点では、やや疑問です。私には、各療法の比較と言う点では。同じ帯津先生が加わっておられる本で「なぜ粗食が体にいいのか」(帯津良一、幕内秀夫著:三笠書房)のほうが参考になりました。食事療法の指導体験を交えた、各療法の考え方の解説です。幕内氏ご自身が尿療法を試された所など、とても誠実さを感じました。また最近は総合的な良書「今あるガンが消えてゆく食事」(ビタミン文庫)も出ています。
それと少し気がかりなのは、最初にレビューされているカスタマーさんの本書への評価が最高で、投票が100を超すことでした。他のレビューと違い今ではプロフィールなどを辿れない、この作成者のレビューは、他のがん関連の本でも各書を非常に高く評価しておられ、それが参考になったとされている方が驚くほど多数なのです。皆さん真剣に本を探され、真摯な姿勢のレビューは参考にされる事が窺われます。数年前はまだ良書も少なかったので無理も無く、胸の塞がる思いです。
もしがん患者やご家族の方で食事療法を実行してみようと思われる方は、幅広く概観するにはこの本も参考にはなりますが、ぜひ他の本も検討してみて下さい。医学を中心として、それを支えるものとして食事療法をとらえ、しっかりした理論と、どうすれば継続できるかに配慮した本を選ばれて、少しでも安全な側に歩まれる事を祈ります。