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さて、久しぶりの書き下ろしは、それぞれ独自の活動を続ける僧侶数名との出会いをストレートに描き、ひいてはそれが著者と仏教との深い出会いとなるプロセスを誠実な筆致で記したものである。
内容は決して単純な仏教礼賛ではなく、宗門や形骸化した日本仏教への痛烈な
批判を含んでいる。しかし書く方の人となりであろうか、そこには怒りや絶望よりも大きな、なにかを信頼する強い力がみなぎっているので、読んで実に
励まされる気がする。
強いて注文をつけるとすれば、次のようなことである。著者にしても本書に登場する僧侶にしても、一般的な水準からすれば、どう考えても「よくできた方」である。ごくふつうの個人は、自己省察を長く続けると、こじんまりとして無難な形で社会になんとか適応する途をとりやすい。しかし、現在の日本社会を見た場合、緊急の問題となるのは、個人がいかにして自分よりもずっと力の強い相手に対して抵抗することができるか、という点にあると思う。ならば著者には「怒りの表明のスタイル」という視点から、もう少しだけ書いてほしかったと感じる。
著者本人もまた、僧侶ではないにせよ、これからの日本仏教を盛り上げていくための討論会などを主催している。だからなのか、本書はとても運動的で啓発的な書物である。だが本書は、日本仏教界のリアルな現状把握のための参考文献としても有益であり、お寺のイベント的な催しについても知ることができる。
これを読んで「がんばる」気になる坊さん方がどれだけ出てくるかは微妙だが、とりあえずの未来への可能性は、ここに示されている。
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