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物語は、というより舞台設定は、ほぼ同年代を同校で過した評者にとってはまさに感涙もの。
同校伝統のリレーカーニバル、ボートレース大会、運動会などの行事が随所に散りばめられ、卒業生の郷愁を激しくそそります。
授業風景もほぼ当時の雰囲気を伝えていますね。
「ボートは奴隷のスポーツです」といいながら、女子クルーが「オーリャ」と気合を入れながら必死でオールを漕ぐ。
細長い4人漕ぎのボートが流れるように水面を滑っていく様の描写が秀逸。
高校に入学してスグ落ちこぼれとなった主人公「悦子」が、ある日海辺で見たボートに惹かれ、
最初はお気楽に練習していたものが「新人戦」で惨敗を喫し、「このままでは、やめらんねえ」と
4人の仲間とともに真剣に練習に打ち込んでいく所から、物語は俄然アツさを増す。
OGとしてクルーをコーチした大野婦人が卒業式の日に悦子に言った。
「シノムラさん、女子ボート部を復活させてくれて、ほんとにありがとう。
あなたは、主人と私にもう一回、青春をくれたんよ」・・・読者もきっと同じ気持ちなることだろう。
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