前回の著書より著者の癌治療に対する情熱や思想が存分にうかがえて、癌患者ではなくても最後まで惹き付けられる書である。
多くの手術症例や抗がん剤治療の経験がある専門医師でも、意外と末期がん患者の回復例を経験していないのが現実である。
まず医師が患者の病を引き受ける責任を持ち、治る信念でサポートしなければ、患者が治る道は開けてこない。
末期癌の回復をサポートした経験のある著者や自助療法で治った患者には説得力がある。
本文中に丁寧に紹介されている食事療法の本や映画に触れれば、「人生のやりがい」とは「自分らしく自然に生きること」とは何かを考えさせられ、より著者の思想が深まる。
肝心の治療の柱である穿絡療法や免疫食品の効用や、免疫検査の必要性についてはあまり言及されていないので物足りない気がするが、個々の症例経過を冷静・客観的に分析されている点はすばらしい。
周りの西洋医学一辺倒の医師からも信頼され説得させられるのは、著者が権威的、営利的にならないで、本質を見極め、探求心を持ち続ける人格者であるからであろう。
他の癌の代替療法の書とは一線を画した、著者の秀逸な哲学や生きざまがうかがえる書である。