朝日新聞の「相談室」の名回答で老若男女の信頼も厚い著者が、自分で自分に人生相談せざるを得ない窮地に追い込まれていたとは!
「人生相談を仕事にしてしまった悩み」を訴える相談者・明川さんに対し、回答者・明川さんは答えています。
「相談を受けるという役割は、相手の毒を飲んでやる苦行に他なりません。(中略)人を救う言葉などあるはずもない。あるのは毒を飲む覚悟だけ」 ・・・至言です。
しかしながら、毒を飲み続ける著者が心配。毒の受け皿が満杯になってしまったら、回答はもう読めないのでしょうか? ささやかな楽しみの一部を削られるに等しい事態です。
・・・なーんて、自分で自分に相談するというこの企画も人生相談の名手としてのバリエーションなのであって、心配には及ばないでしょう。けれど、本書を読んでこちら側に迷いが生じてしまいました。
ご相談していいですか?
「この本を朝日新聞の回答の愛読者に見せるべきかどうか?」
飲んだくれのヨレヨレの明川さんを知ってこそ、朝日の回答も味わいが増すという気もするし、イメージを壊す迷惑行為のようにも思えるし・・・ 悩みます。「『変な人』呼ばわりされた私は子供に話しかけてはダメですか?」「あのスポーツの横断幕、何とかなりませんか?」「一目惚れした娘っ子がピストルを持っています」などなど、興味深い相談が続くのですが・・・
ただ、迷わず言えることがひとつ。今後、明川さんの著作は極力買うことにします(極力というのが頼りないですが)。毒をつまみに飲むという、その飲み代の調達に微力ながら貢献させていただきたいので。