実はこの本を手にしたのは、知人から勧められての事でした。
時代小説というジャンルはほとんど手を出した事がなかったので、勧められなければ読む事もなかったかと思います。
……で、読んでみた結果ですが、これが予想外に面白い!
序盤は徳川家の老中と加賀藩、そして当時の江戸の経済状況等、物語取り巻く時代背景が淡々と語られます。
そして三度飛脚達の登場。降りしきる雪や「親知らず子知らず」のような難所を潜りぬけ、義理と人情に溢れた飛脚達は道中禁を破って人助けもします。
そうした人と人との繋がりが、やがて迫りくるお庭番の魔の手から結果的に彼らを救います。
これでもかというぐらいに骨太の舞台設定の中で、男気溢れる飛脚や武家が躍動し、女性達が周囲をがっちりとサポートする。
読み終わってみると、物語の展開自体はある意味では「凡庸な」「勧善懲悪」であるとも言えます。
ただし、とにかく舞台設定と登場人物達が優れているので、グイグイ読み進む事が出来ます。
これは面白い。そしておそらく、1回読み切りではなく、間を置いて2度読み、3度読みをすべき作品なのだと思います。