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32 人中、29人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
四人の女性とりかさんが、壮大な機を織り上げていく物語,
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レビュー対象商品: からくりからくさ (新潮文庫) (文庫)
内側から光が輝くような個性を持った四人の女性。蓉子、与希子、紀久、マーガレットの四人。彼女たちが、ひとつ屋根の下で生活を共にし、あたかも弦楽カルテットのように、ひとりひとりが自分を主張しつつ、静かにハーモニーを奏でていく姿が素敵でした。さなぎから美しい蝶に変身する如く、お互い同士の心の交流を通して、彼女たちは変容し、再生していく。その様子が、生き生きと作品の中に描き出されていたところ、本当に素晴らしかった。 話の経糸に、人形師にまつわる彼女たちを結ぶ宿世の縁を、話の緯糸に、織物の文様にまつわる東と西の国の繋がりを織り込み、ラストに収斂させてみせた手際の鮮やかさ。織物のある絵柄が、眼前に出現した瞬間の息を呑む見事さ。あれとこれとがそういう風につながっていって、こーんな壮大な絵が出来上がるのかあ、うわあっ! と声を上げたくなった感動が、最後の場面で押し寄せてきました。 りかさんが関わる話ってことで、新潮文庫の『りかさん』の二篇と合わせて読むと、味わいもひとしお。話の時系列的に言うと、「りかさん」「からくりからくさ」「ミケルの庭」とつながっていきます。なので、りかさんが蓉子にとってどれほど大切な存在かといったことが分かる『りかさん』を読んた後に、本書に向かうのが良いのではないでしょうか。
30 人中、27人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
今までにない魅力,
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レビュー対象商品: からくりからくさ (新潮文庫) (文庫)
「からくりからくさ」は、「西の魔女は死んだ」「裏庭」の中のやわらかさ・透明感・命の温かな存在感をそのままに伝えながら、それ以上の力強さとの美しさを持った作品である。人間が、女が、民族が、生きることの、怨念や情念、祈りや慈しみを重層的に描きながら、それらが澄んだ一つのトーンを創っていく。梨木香歩の作品は、独特の世界があり、体と心にしみるように入ってくる文章なのだが、そこにどこか手作りの初々しさがあるように思う。それは、この作者の登場人物達がみな「手仕事」を愛おしんでいるからであろうか。文庫版390ページの老婆の温かさが、忘れられない。
27 人中、22人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
人生最高の1冊だと思う。,
By ナゾ - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: からくりからくさ (新潮文庫) (文庫)
初めて読んだ時よりも、2回目、3回目、4回目の方が更に奥深く、面白い。これ以上の小説を私は読んだことがない。言葉の断片に、ストーリー一つ一つが全て伏線となっている。それは、登場人物の感情までも巻き込み、繋がり、流れ、流れていく壮大なもの。 静かな家の中での生活が、ついには過去、現在、未来をも巻き込む。 本当に何回読んでも鳥肌が立ちます。あまりの深さに圧倒され、涙がでます。何か、心の中心を大きく揺り動かされるような力があるように思う。その力が、生活という日常を通すことで、実にすがすがしくこちらに伝わってくる。 心の闇や悲しみや、人間の持つ負の部分も多分に扱った作品ですが、それを見つめていく(乗り越えるというと薄く聞こえてしまう)過程は、本当に素晴らしいです。読み終わった後は凄く満足感というか充足感がありますね。
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