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さなぎから美しい蝶に変身する如く、お互い同士の心の交流を通して、彼女たちは変容し、再生していく。その様子が、生き生きと作品の中に描き出されていたところ、本当に素晴らしかった。
話の経糸に、人形師にまつわる彼女たちを結ぶ宿世の縁を、話の緯糸に、織物の文様にまつわる東と西の国の繋がりを織り込み、ラストに収斂させてみせた手際の鮮やかさ。織物のある絵柄が、眼前に出現した瞬間の息を呑む見事さ。あれとこれとがそういう風につながっていって、こーんな壮大な絵が出来上がるのかあ、うわあっ! と声を上げたくなった感動が、最後の場面で押し寄せてきました。
りかさんが関わる話ってことで、新潮文庫の『りかさん』の二篇と合わせて読むと、味わいもひとしお。話の時系列的に言うと、「りかさん」「からくりからくさ」「ミケルの庭」とつながっていきます。なので、りかさんが蓉子にとってどれほど大切な存在かといったことが分かる『りかさん』を読んた後に、本書に向かうのが良いのではないでしょうか。
本当に何回読んでも鳥肌が立ちます。あまりの深さに圧倒され、涙がでます。何か、心の中心を大きく揺り動かされるような力があるように思う。その力が、生活という日常を通すことで、実にすがすがしくこちらに伝わってくる。
心の闇や悲しみや、人間の持つ負の部分も多分に扱った作品ですが、それを見つめていく(乗り越えるというと薄く聞こえてしまう)過程は、本当に素晴らしいです。読み終わった後は凄く満足感というか充足感がありますね。
「りかさん」も「からくりからくさ」の伏線的なものが多いので、是非一緒に読むことをお勧めします。
本当に面白いです。
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