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かもめの日 (新潮文庫)
 
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かもめの日 (新潮文庫) [文庫]

黒川 創
5つ星のうち 3.7  レビューをすべて見る (11件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

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第60回(2008年) 讀賣文学賞小説賞受賞

内容(「BOOK」データベースより)

「わたしはかもめ」女性初の宇宙飛行士テレシコワが、高い空の上から地球に放った言葉は、地上の孤独をいまも静かにつなぐ。妻に先立たれた作家、FM局の年若いAD、肥った地球物理学者の青年、消せない怒りを抱える少女。チェーホフの世界に重なって、それぞれの24時間を俯瞰しつつ、この街の姿に織り上げる物語のタペストリー。読売文学賞受賞。

登録情報

  • 文庫: 260ページ
  • 出版社: 新潮社 (2010/9/29)
  • ISBN-10: 4101339813
  • ISBN-13: 978-4101339818
  • 発売日: 2010/9/29
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.8 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.7  レビューをすべて見る (11件のカスタマーレビュー)
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10 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
これまでの黒川作品の穏やかな流れと違い、この作品には強い流れが存在する。
緻密な取材を元に描かれた世界はこれまでの作品と変わらないが、ストーリーの流れは大きく渦巻いている。
一気に読まないと渦に巻き込まれてブラックアウトしてしまう様な気がしてしまった。
黒川作品が初めての人にはとってもおすすめだと思います。

ここから付け足し。
この俯瞰的視野から登場人物の目からの視野、この遠近法的(適当な単語が思いつきません)構図の小説を味わうには、様々な位置からの視点に気をつけて読むことを勧めます。さらっと読んでアタマがゴチャゴチャしてしまった人は、もう一度読み返すことをおすすめします。黒川創が他の小説と違う形を目指していることが実感できてくるでしょう。
「もどろき」、「イカロスの森」や「明るい夜」が好きな方には、今回の小説が今までのものより非常に進化したことが分かると思います。逆に、この「かもめの日」から入った人は、これまでの小説に目を向ければ、黒川創が作り上げようとしている世界観の表現の進化を読み取ることが出来るでしょう。
このレビューは参考になりましたか?
7 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
たんたん 2008/6/17
形式:単行本
同時期に同じ都会の街で起こる出来事が並行して描かれていく、淡々と。しかし後半に向かうにつれて事件らしいことも少しずつ起こっていく、さまざまなできごとがあぶりだしのように徐々に浮かび上がって個人個人の抱えるドラマが浮き上がってくるというような形で(といっても、結構個々の出来事の起こり方は唐突でしばしば違和感をおぼえたが……千恵の最後とか最後の幸田と瀬戸山の会話とか)。村上春樹『アフターダーク』を引き合いに出しているレビュアーの人もいるが、たしかに都会の夜のしんとした感じはよく出ていた。ただ全体にさらさらと表面をなでていくという感じなので、結局、個々のキャラクターやエピソードに最後まで興味がもてなかったのが個人的にはうーんという感じでした。オビによると、文芸時評等で絶賛されている作品のようですので、きっと私の読みが甘いということなのでしょう、とは思いますが。またやはりオビによると、池澤夏樹氏も評価しているようですが、たしかに池澤氏の「スティル・ライフ」や「ヤー・チャイカ」のように、「空気で読ませる」みたいなところはあるかもしれません。
このレビューは参考になりましたか?
7 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
素直に感心し静かに感動してしまった。
読み終わり、もう一度ページを最初から括り直そうと思った。
この本はそうした魅力的な構造を持っている。

1987年、鎌倉に住むある姉弟の家での暇つぶしのゲームとして、
宇宙に浮かぶ人工衛星のカメラから、東京のいろんな場所に焦点をあてて、
その状況を報告しあう架空実況中継のやりとりを聞かせてもらったことがある。
この小説の手法は、それにちょっと似ているかもしれない。そんなことを思いだした。

小説の冒頭、63年にヴォストーク6号で地球を48周回り帰還した女性宇宙飛行士テレシコワのことと
チェーホフのことに触れられている。本の題名『かもめの日』は、このテレシコワが地球の遙か上空から
叫んだ有名な「わたしはかもめ(ヤー・チャイカ)」とチェーホフの戯曲に由来している。

テレシコワが飛んだ宇宙のような上空からのカメラの視点のように、またある時は上空を
飛ぶかもめが見た視点のように、東京の景色とそこに生きる人々のいくつかの物語が平行しながら点描されていく。
やがて、そうした上空からの視点は下に降りてそれぞれのドラマを紡ぎ出す。
それらはゆっくりと交差しながらつながっていく。それがまずこの小説のおもしろさだ。
ばらばらのパズルが、じょじょにつながりひとつの絵、ストーリーを描き出していく。

上層雲を研究している太った青年ヒデさんと偶然知り合った絵理という少女。
深夜に浮かぶ光の塔と書かれるFMラジオ局で「ナイト・エクスプレス」という番組の中年DJ幸田昌司と
その相手の女性アナウンサー西圭子、長いAD生活に嫌気がさしている森ちゃん、
その番組最後の朗読ドラマの台本を手がける作家、瀬戸山春彦たちのそれぞれの孤独な物語。
最初ばらばらのようだった話が、それぞれじょじょに発信しあい、ひとつの小説の輪郭、
構造をかたちづくっていく。

個々の孤独な魂がひっそりと手と手を携えていくようにも思える、現在という「時」に静かに
息づくすばらしい小説だった。
また、この小説は村上春樹の『アフターダーク』で予感として提示された夜明け前に対するひとつの
解答のようにも思われる。

読み終わり無性にルー・リードの『サテライト・オブ・ラブ』を聴きたくなった。
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身についた平易な言葉でつむぎ上げられています。... 続きを読む
投稿日: 17か月前 投稿者: 白頭
知的な小説だが
黒川さんのことは編集者・書評家として長く知っているけれど、小説を読むのは初めて。... 続きを読む
投稿日: 18か月前 投稿者: unknown poet
宇宙飛行士、チェーホフ、FMラジオ
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