亀のようにゆっくりと着実な長期投資で年8.17%のリターンを上げた著者の進める「亀型投資法」。
この本は今回の「東日本大震災」が起きる直前に出版された本です。
何でそんなことを冒頭に書くのかというと、著者自身が本の後半で「東京電力株」を例示しているからです(!)。
う〜ん。さしもの著者も「今回の震災」については読みきれていないですね。
自分の著書で銘柄名指しで書いて出して1ヶ月後に・・・って、何の悪縁なのか・・・・・・。
それは置いて、著者は「海外投資」を徹底して否定します。
海外というと今後縮小する日本の市場と異なり、発展が期待される「BRICS」に代表される新興国投資があります。
ですが、これも著者は
・海外国債はいくら金利が高くてもインフレになれば帳消し。
・そもそも国内投資に比して手数料が高過ぎる。
・遠い国の情報を得るのはインターネット全盛の時代でも困難。
・売りたいときに売れないという流動性のリスクが大きい。
として一蹴しています。
で、著者的に戻ってくるのはどこかというと「日本株」(笑)。
日本の技術・製品の海外輸出の拡大に伴い、やはり日本は技術大国!として「日本株ETF(上場投資信託)」を勧めています。
さらにリスク分散し、かつ最初に記載の高利回りを実現するためには組み合わせて投資する必要があるのですが、
・REIT(不動産投資信託)
・金投資
を選択しています。REITは2001年スタート時は相当良くて私も購入していましたが、2007年以降に急落。
最近、また持ち直してきていますので平均してみるとそれでも3つの投資先の中では一番収益は高そうな印象。
金投資は「積み立て方式」で毎月3,000円〜くらいから始めるのがいいようです。
これは完全な「守りの資産形成」になりますね。金投資は他の投資先が下落するような場面でも逆の動きをするようなことが多い。
特に2000年以降は金価格は上昇傾向で、私も小額ながら積み立てを何年も続けていたりします。
このようにどちらかというと「攻め重視の投資ではなく、守り重視な投資」を勧めている著者。
やたらと国内投資に固執しているのですが、今後の人口が9,000万人を切り「明らかな市場の縮小」が見込まれている日本に過剰な期待を掛けるのはいかがかと思われます。
新興国投資を手数料が高い、情報が少ないとして否定しますが、それでも投資信託は「他の商品に比してずっと海外投資のハードルは低い」のだということを忘れてはいけません。たとえば新興国市場の株式を個別銘柄で購入していくとなったら、その困難さは前述の投資信託の比ではないと思います。そういった手間を省いて、お手軽に海外に分散投資できるというのがそういった商品のよさでもわけですし。
「江戸の敵は長崎で討て」が合言葉の如く何度も出てきて、著者必殺の「かめはめ波」なんでしょうが、
それも今回の震災には無力だった模様です。ホント、本を出すタイミングが悪いとしかいいようがありません。合掌。