「日もすがら大名」が一番面白かったです。島原の乱で華々しい戦死を遂げ、その名を他家にも広めた土方大八郎。藩主夫妻はその死を悼みながらも、どこか心穏やかではありません。藩主夫妻の痴話喧嘩を止めた事や、藩主夫妻の好意が大八郎をとても苦しめる事になったからです。そして大八郎の下した決意はあまりにも悲しいものでした。
周囲に切腹すると公言したものの、ちょっとした油断から切腹しそこねて天下に恥を晒してしまい、開き直って生き抜く事を決意し最後に1万石で召抱えられて、臆病者という周りの蔑みの中で戦い、全身に傷を負って見事な討ち死にを遂げて臆病者の汚名を晴らした富田高定を描く「酒と女と槍と」
若くしてその武勇を評価されるもその身勝手さから、遊女を買う金を出すのを拒んだ家来を斬ってしまい出奔。仕える先々(佐々成政以外)でトラブルを起したり、女性にほれ込んでしまったりしながらも、常に徳川家の安泰を胸に秘めてやがて帰参、父の後を継ぐときには世間に揉まれて立派な武将になっていて、今度は自分が若いものを諌める立場になる水野勝成を描く「かぶき大名」も面白かったです。