長年神経性食思不振症とか拒食症と誤訳されてきた摂食障害。カレンカーペンターが亡くなってもう20年以上経つというのに、未だに確立され有効な治療法は無い。精神科医の中でも苦手な先生は多いはず。大学病院の摂食障害の権威に紹介しても良くならない。日本女性は10代後半〜20代前半の平均体重が極端にやせているという世界でも稀な国。痩せ型を美化する歪んだ国民性、メデイア感覚をいくら批判しても、あるいは母子関係や親子関係にいくら原因を求めても何ら解決にはならない。著者は自身も摂食障害を経験し最近完治したと宣言した。同じ障害に苦しむ患者たちの自助グループ「かなりあしょっぷ」を立ち上げ現在京都〜滋賀の患者のふれあいの場を提供している。著者は言う「無茶食いとか、嘔吐とか摂食障害の症状というのは「氷山の一角」であり、その下の見えない部分、心の中にあるわけのわからない何かが摂食障害となって姿を現しているのだ」という表現は多くの治療者に示唆を与えるものである。患者自身の生の声に耳を傾けることができる貴重な本だ。