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かなづかい入門―歴史的仮名遣vs現代仮名遣 (平凡社新書)
 
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かなづかい入門―歴史的仮名遣vs現代仮名遣 (平凡社新書) [新書]

白石 良夫
5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

旧かな愛好者たちが言うように、いまや定着した「現代仮名遣」は日本語の伝統を破壊する蛮行なのか?けれども、定家にはじまり、契沖が大きくすすめた「仮名遣」の歴史をふりかえってみれば、貫之だって空海だって、紫式部の兼好も西鶴も、「歴史的仮名遣」で書いているわけではない。「仮名遣」は表記の規則―あたりまえの立場から「かなづかひ」をめぐる誤解と幻想のもやをはらう。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

白石 良夫
1948年愛媛県西条市生まれ。九州大学文学部卒業、同大学院修士課程修了。大学教員を数年勤めたのち、83年に文部省(現文部科学省)入省。以来、国語教科書の検定に従事しながら、研究活動をつづける。現在、主任教科書調査官。博士(文学)。専攻は国語国文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 238ページ
  • 出版社: 平凡社 (2008/06)
  • ISBN-10: 4582854265
  • ISBN-13: 978-4582854268
  • 発売日: 2008/06
  • 商品の寸法: 17 x 11 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
元・文科省国語教科書検定官らしい「かなづかい」の解説本。

読み終わって、感じたのは太陽暦がいいのか、長年日本で遣ってきた太陽太陰暦の方がいいのか、という議論に似ている気がしました。もちろん、日常生活を送る上では太陽暦の方が便利に決まっている。でも生活感覚という点では旧暦にも分がある。でも、その旧暦も実は最後の改暦があった天保年間のもの。その後にシステムとして修正がないので、致命的な矛盾がもうすぐ顕在化してしまう。っていうような話。

上代特殊仮名遣の話から、定家仮名遣、契沖仮名遣と変遷を遂げてきた歴史を振り返る辺りは面目躍如。
文は本人が読むためのものであり、その時点での音韻を反映して表記されるのが一番自然という論理は理解できます。

閲覧とか、校訂という意識は、日本の国文学の上では、藤原定家の出現を待つしかなかった。しかもその作品が書かれた時点の音韻に立ち返って行う――筆者のいう「地動説」を知った人間の世界観、ということになるのですが。個人の仮名遣いと、遍く一般的に通用することを求められる「規範仮名遣」は性格が異なるものである、という説明はすこぶる理解できる。

ただ、後半になって戦後の新仮名遣いの辺りになると、結構、威圧的な感じの説明が増えてきます。
例えば丸谷才一。彼の文章は基本は旧仮名遣い。ただ漢字の音に関しては基本は新仮名。外来語の促音は小さく表記、とか自分のルールを明示していますが、その方が都合がいいようにも見えます。これらの考えを一切、簡単に表記できる、ということで片付けるのは如何かな、と思います。印刷物がかくも当たり前になり、それがWeb上でも通用するようになったのは、長い仮名遣いの歴史の中でもつい最近のことですから。

もし、入門的にこの方面の知見を広げたいと思うなら、中公新書の同筆者による「古語の謎」の方がデキがいいと思います。余り説教臭くないですから。
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16 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
「はじめに」に「歴史的仮名遣と現代仮名遣のどちらかに肩入れしよううとするつもりは、ない」とあるが、実質的には現代人の日常的規範仮名遣いとして現代仮名遣を擁護する本。著者は文部科学省で国語教科書の検定に従事する役人。

仮名遣という用語は、書き方の手本となる「規範仮名遣」と、あるテキストにおいて実際にどう書かれているかを明らかにする「記述仮名遣」という概念が無分別に使われていて、混乱をきたしているという。

規範としての仮名遣は一種のルールだから、学問的正当性よりも、シンプルでわかりやすく、守りやすく、変化しないのがよい、ということになる。

歴史的仮名遣は江戸時代の契沖とその流れを汲む学派の研究による「契沖仮名遣」が元になっている。しかし、その仮名遣は同時代の人が日常的に文章を書くための規範ではなく、和歌や擬古文を書くための規範であった。

明治政府がこの契沖仮名遣をもとに作ったのが「歴史的仮名遣」であるが、現代文を書く規範として採用したため、いろいろな問題が生じた。

ひらがなカタカナは平安時代初期に万葉仮名(真仮名)をもとにして成立したが、当時の発音をそのまま書いたと考えられる。たとえば「今日」を「けふ」と書くのは「ケフ」と発音していたからである。(その後発音が変わったが、書き方は変わらなかった)。

ところが、現代文では平安時代に無かった言葉も書かなければならない。そうすると、平安初期の人ならこう発音したであろう、という推定をして仮名遣を作り出すことになる。

たとえば、歴史的仮名遣では「シマショウ」を「しませう」と書くが、平安時代にはそんなことばはなかったので、発音の変化を遡って、仮想的に古い形を想定する。つまり、「う」は未然形につく助動詞なので、ます」の未然形「ませ」に「う」がついて、maseuのeuの音がyouに変化したと考える。(さらに「ョウ」は「ョー」に変化する)。

このような判断は語源が簡単に推定できる場合は比較的確実だが、「どじょう」のように語源がわからないものは仮名遣が確定できない。(どぜう、どぢやう、どづを、その他複数の書き方が行われた)。

さらに漢字の音読みにどういう仮名遣をあてるかは、ほとんどすべての字について暗記するより無い。

歴史的仮名遣は、規範としては極めて使いにくいものだった。

また、(規範)仮名遣は書き方の規範であって、発音の法則ではないと再三強調される。

たしかに「かは」カワ、「にほひ」はニオイ、「てふ」はチョーと読むなどと覚えた気がする。しかし、表記の規則なのだから、こう読めという話ではなく、河という言葉を歴史的仮名遣では「カワ」と書けと説明するべきなのだ、と著者は主張する。

我がことを振り返ってみれば、確かにそのようには教わらなかった。というより、平安初期には本当に書いてあるように発音していたのだ、という事実を知ったのが高校生になってからである。それまでは、なぜこんな発音と違う書き方をするのか、全くわからなかったわけだ。それなりに、日本語に関する本を読んでいるような子供だったのにである。

戦後に現代仮名遣を制定して(内容としては、急に作ったものではなく明治以来の研究の結実だと強調されている)、江戸の伝統である国文学との決別を果たした仮名遣と対照的に、学校文法は相変わらず明治の橋本文法の影を引きずっていて、現代の研究成果から見れば、ほとんどの学者が賛成しないような内容になっている。こちらも何とかならないのだろうか。
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形式:新書|Amazonが確認した購入
 たまたま大学のレポート課題で仮名遣いについて調べていたところ、この本に出合いました。

 以前は「歴史的仮名遣い」こそが正しい日本の仮名遣いなんだろうと漠然と思っていたのですが、この本を読んでいくうちに、あくまでコミュニケーションの媒体としての仮名遣い、そして言葉遣いの重要性に気づかされました。長い間疑問に思っていた日本語の「発音」の問題に言及されており、文字が伝来する前に失われた発音、拗音、促音、「ん」の表記(「案内」は通常「あない」と読まれていたとされ、時代劇や時代小説などでは「アナイいたせ」と読まれていますが、実際には「ん」の仮名がなかったために割愛されているだけで「あんない」という発音で読まれていたのではないかなど)についてなど、今まで胸の内にあった疑問などがストン、ストンと解消されていきました。

 また、学校などで習った国語の文法論の限界、定家仮名遣い、契沖仮名遣い、本居宣長などの歴史的功績、歴史的仮名遣いとは本当に正しい日本の仮名遣いであるのか、などに関しても言及されており、学校文法で凝り固まった私にとっては、まさに「目からうろこ」の内容ばかりでした。

 この本を読んで、さらに日本人でよかった、日本語ってすごい、日本って素晴らしい国なんだなと自分が日本人であることにさらに誇りを持てました。

 良い本に出合えて本当によかったです。著者の白石先生に感謝ですw
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