本当に力がある言葉だ。
やはり音楽が燃料で、歌詞が発火剤なのであり、この二つが揃わなければ、わずか3分か4分で人を陶然とさせることはできない。
忌野清志郎もロックに日本語を乗せて歌う名人だった。忌野や早川義夫のアルバムを聴くと、日本語はロックのリズムに乗りにくいなどということは嘘なのだということが分かる。
このアルバムでは「サルビアの花」が有名だが、私は「もてないおとこたちのうた」が最も好きだ。(柏倉秀美、作詞とある。)
自己卑下する感じではなく、ゆっくりとしたテンポで「もー少し何とかなーるかと思いつつ天を仰いで願えども」という歌詞を、悲壮感のあるピアノで歌われると陶然としてくるのだ。心の深部にある最も凄惨な感情が癒されるのである。
人を陶酔させるには、毒の要素が必要だ。早川の作品は、毒気に満ちている。
また早川の作品を聴くといつも、ロック・ミュージシャンとして一流になるには、一流のお笑い芸人やマンガ家と同じくらい機知に富んだ人間でなければならないと思う。