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最も参考になったカスタマーレビュー
5つ星のうち 3.0
薄味のうまさ,
By 存尾 - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: かけら (単行本)
「綿棒のようなシルエット」という冒頭の比喩表現には、おっと思わせられる。その後も、薄味でありながらうまい文章だなと感心させられるところが多い。川端康成文学賞を受賞したこの表題作、読み終わってみると「だからどうした」と言いたくなるところはあるのだが、それでも考えてみると、これはこれで一つの話として完結している。要するにタイトルが作品テーマなのだろうから、その感じは充分味わえるのである。続く『欅の部屋』は、収録3編中唯一の一人称形式小説である。語り手は結婚直前の男で、別れた彼女のことを回想している。この昔の彼女が一般的な観点からするとなかなか変な人物で、小説に奇妙なぎこちないような感覚を与えているのがおもしろい。 最後の『山猫』では、西表島から大学を見に東京に出て来た高校生の従妹が奇妙な存在ぶり(野生の猫を思わせもする)を発揮してくれる。ただし視点が時々変わるのには、単なるご都合主義ではないのだろうが、どうも違和感を覚えた。
10 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
実力派女性作家の新作,
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レビュー対象商品: かけら (単行本)
わずか二作目で芥川賞を受賞し、四冊目である新刊の表題作で川端康成文学賞を最年少で受賞した若手女性作家の短編集。派手さはなく、むしろ地味な作風ながら、現代的な空気感を巧みに切り取った作品はどれも完成度が高い。けっして力み返らないやわらかな文体は、島本理生を連想させるが、あちらよりずっと純文学度は高い。むしろ玄人をうならせる作風といえる。若手作家ではめずらしく、いちどだけでなく再読をしてみたくなる貴重な作家だ。
3 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0
うーん・・・,
By 小谷野敦 (東京都杉並区) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: かけら (単行本)
芥川賞受賞作「ひとり日和」は高く評価した。私小説と見たせいもある。さてこちらは、川端賞受賞の「かけら」であるが、いかん。あまり不断話さないような父親と、たまたま二人きりで日帰り遠足に出ることになってしまった二十歳の娘の、気持ちを描いている。しかしこういうのが、身辺雑記私小説といって、私小説への軽蔑をもたらしたものではないのかなあ。川端賞受賞作にはこういうのが妙に多い。『お別れの音』に入っている「役立たず」なんかはいいんだが…。文章は丁寧です。
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