第2章までは、自分はかけがいのない存在だと思えなくしている社会に対する批判、というよりも怒りが中心となっています。確かに今の社会のあり方に問題があるのは事実でしょうが、私自身は、社会のあり方に怒るよりも、自分の意識のあり方を変える方が問題解決につながるという考えを持っているので、この部分にはそれほど共感できませんでした。
しかし、「自分はかけがいのない存在なのだと思っている人は、情けない行為ができなくなる」という趣旨の部分を読んだあたりから、「この人は本物だ」と感じはじめました。
上田氏は「ネガティブな経験こそが、自分のかけがえのなさを実感する重要な出来事なのだ」と述べ、悩みの多かった過去を赤裸々に語り出します。その率直さ、真摯さが、「私はいま、その数々のネガティブなことに、心から感謝しています。」という言葉に説得力を持たせています。
「誰かのことを深く愛してしまった時、私たちは初めて、『自分の中にこんなに愛する力があったんだ』と気づくのではないでしょうか。」という言葉には、私自身の経験も重ね合わされて思わず目頭が・・・。
きれいごとに過ぎないと片づけられかねない内容ですが、私は、この人は本気で『みんなかけがいのない存在なんですよ』と伝えたいのだと確信しました。