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かかし
 
 

かかし [単行本]

ロバート ウェストール , Robert Westall , 金原 瑞人
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

カーネギー賞受賞 
13歳のサイモンは、夏休みを初めて継父の家で過ごすことになった。だが、死んだパパを未だに敬愛するサイモンは、継父や家族への憎悪を募らせ、かつて忌まわしい事件があった水車小屋に巣食う邪悪なもの「かかし」を目覚めさせてしまい…!? 英国児童文学の巨匠が、追いつめられた少年の心理を鮮やかに描く。

内容(「BOOK」データベースより)

全寮制の学校に通うサイモンは、ママが再婚した売れっ子画家ジョーの家で夏休みを過ごすはめになる。パパが死んだ今でも、強い軍人だったパパの方が絶対かっこいいと思っているサイモンは、新しい生活にどうしてもなじめない。うつろな気持ちで広いカブ畑を歩いていたとき、古い水車小屋を見つけ、強く心惹かれるサイモン。だが、その日を境に継父との関係はますます悪化し、ある日ついに「それ」が姿を現した。ぼろぼろの三体の「かかし」だ。かつて忌まわしい事件があった水車小屋に巣食っていた邪悪なものを、サイモンの孤独な心が目覚めさせてしまったのだ。日ごとサイモンたちの住む家に近づいてくる「かかし」。目の錯覚などではない。サイモンを待つのは、破滅か、それとも…。継父への憎悪を募らせるたび、追いつめられていく少年の心理を鮮やかに描く、イギリス児童文学の巨匠ウェストール、二度目のカーネギー賞受賞作。小学校高学年から。

登録情報

  • 単行本: 297ページ
  • 出版社: 徳間書店 (2003/01)
  • ISBN-10: 4198616388
  • ISBN-13: 978-4198616380
  • 発売日: 2003/01
  • 商品の寸法: 18.2 x 13.2 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 50,696位 (本のベストセラーを見る)
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13 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
本書は全編通して重苦しい雰囲気に包まれています。主人公の少年サイモンは、思春期特有の難しい時期にあり、世のすべての事を否定的にとらえ、どうしょうもない衝動を内に秘めて不満にまみれています。彼の父親は先の戦争で戦死しており、まだ若くて美しい母は独り身のさびしさから、再婚してしまいます。父親を敬愛していたサイモンは、再婚相手の男性が俗物的に見え、太った外見もあいまって嫌悪感を抱いてしまいます。学校でも、家族の中でさえも居場所のない彼は閉塞感にとらわれてしまいます。
読み始めは、どうにも主人公のサイモンに共感できず、遅々として進まなかったんですが、やがて彼が唯一の拠り所とする水車小屋に通うようになったあたりから、俄然物語が生彩を放ちはじめるんです。
その水車小屋は、使われなくなって数十年たつだろうと思われるのですが、サイモンが中に入ると、ついさっきまで誰かがいたかのような錯覚をおぼえます。あたり一面ぶ厚くホコリがつもっていて、テーブルに置いてあった新聞は手に取るとボロボロ崩れてしまい、壁にかかった男女三人分のコートはカビ臭い匂いを放っているにも関わらず、サイモンはそこに人の気配を感じるんです。普通なら気味が悪い状況なのにサイモンはそこに居心地の良さを感じてしまいます。近くに住みついてる野良猫は人懐っこいにも関わらず、けっしてその水車小屋の敷居をまたぎません。サイモンが抱き上げて中に連れて入ろうとすると、狂ったように暴れる始末。
このあたりから物語は異様な盛り上がりを見せ始めます。ある日、突如水車小屋の前に現れた三体のかかし。誰が置いたのかわからない。前の二体は男女。後ろで頭をうつむけ顔の見えないのは男のようだが、このかかしは前のかかしに何かしようとしている感じで配置されている。
不気味なイメージがどんどん盛り上がっていきます。ほんとにジュブナイル?ってくらい怖いんです。
いやあ、これはなかなかの傑作だ。ラストはちょっとあっけない気もするけど、でもこの全編とおしての心理的な緊張感はタダモノではない。子どもにはほんとに怖いんじゃないかな?
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10 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
この中には、人としてのいろいろな漠然とした感情と観念がありました。
水車小屋のかかし。その得体の知れない存在の心理は、サイモンのものとよく似ていたような感じがします。
人を憎む心を持ってしまって、自分がコントロールできなくなってしまったサイモン。
自分でもどうしていいのかわからず、誰も信用できなくなって…。

そして、あの「夏の庭(湯本香樹実 著)」でもこの作品の名前がでています。
私が「夏の庭」を読んだ時、何故か「かかし」の一部とシンクロしまうシーンがありました。

ウェストールの独特な雰囲気でサスペンス的な所もあって、緊張感を持って読めます。

このレビューは参考になりましたか?
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
少年が無口で不機嫌であるのは彼が何も考えていないからではなく、彼の心の中で嵐が吹きまくり、精神の脱皮が繰り返されているためである。大人にできることはただそれを見守り、ほんの少し手を貸してやることだけだ。
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