そんな現状に「そろそろこれじゃまずいんじゃないの?」と立ち上がった2人。1人は250冊以上もの著書を持つ「お金の神様」邱永漢。もう1人は「ほぼ日刊イトイ新聞」やインターネット博覧会の編集長を務める「インターネットの実験者」糸井重里である。本書に収録されているのは、この2人の2日間にわたる対談の内容で、2人の異なる価値観が交錯しながら議論が進められていく様子がおもしろい。
「お金が怖い」と語る糸井重里の立場には共感できる。一方、お金に引きずられるでなく、お金の存在を無視するでなく、絶妙のバランスを保っている邱永漢のアドバイスも、成功者ゆえのリアリティーにあふれていて説得力がある。
邱の言葉はネットバブルに対するアンチテーゼも含む。安易な株式公開に奔走する経営者を尻目に「公開するほど落ちぶれてはいない」と一蹴する彼の言葉。公開してしまえば、株主に対するしがらみから事業の自由度が著しく低下する。事業を自分の作り出した作品のように愛でる邱はそれゆえに先の言葉を発するわけだが、お金と幸せの優先順位が逆転しがちな現在、その凛然としたスタイルが、忘れていた何かを思い出させてくれる。
この本に最終的な結論はない。しかし本文の至るところに明日を生きるヒントがちりばめられている。どの一文を切り取ってきても心に響く示唆に富んでいて、自分の中でもやもやしていた疑問や迷いにリンクする一節を見つけることができる。人生の教科書として、ぜひお勧めしたい1冊である。(佐藤敏正) --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
江戸時代の武士の思想から、お金を汚いと考える日本人は、お金に対する真剣さが足らないと邱氏は訴える。バブルの発生やITベンチャーの安易な上場も、お金に対する哲学のなさに起因するという。お金の価値を息子に教えるため、1年分の小遣いを一度に与えたという邱氏の言動には、金銭欲を否定しながら金もうけに汲々とする日本社会への批判が込められている。
(日経ビジネス 2001/03/26 Copyright©2000 ブックレビュー社.All rights reserved.)
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本文に「男の子と女の子では与えるお金が違う」というくだりがあるのですが、とても気になりました。耳が痛い、というか。ああ、だから、おもしろい、というか。
あと、やはりソフト業をやっていると、どうしてもお金に換算できない仕事もありますよね。悪いことではないんでしょうけど、「お金のためじゃない」と思って、やってしまう仕事も多かったですから。 ビジネスなのに、お金の話をするの、下手クソだったんです。そのへんのお話も本文に含まれていて、ピピッときました。とってもおもしろかったです。
この糸井重里さんの言葉にしびれました。
お金のことを真剣に向き合おうか迷っている人にお勧めです。
対談形式で邱永漢さんの魅お金に対する姿勢を見事に惹きだしています。そして、それを糸井さんのセンスで直感的にわかるようにまとまっています。お金に関するテクニック本がたくさんありますが、まず最初にこの本を読んでお金に向き合うことこそ必要なことではないでしょうか。<!P>お金の本質を理解することからはじめましょう!
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