この本が発刊された2007年に日本株インデックスファンドを購入した人は、
2008年,2009年になり、ほぼ全員がマイナスになっているはずです。
一方、その間定期預金をしていた人々は元本を減らしていませんから、
投資で損した人に比べれば、相対的には、実に賢く労せずして資産を
増やしたことになります。
サブプライムローン問題を回避できなかった投資家はたくさんいますが、
決してこれが例外的なリスクなのではなく、これこそがよくあるリスクなのです。
(つまりプロでも、いまだリスクは回避できていない。)
ここ20年余りの金融工学は「証券化」を始めとして、いかにリスクを他人に
売りさばく(押し付ける)かの技術を編み出してきたといっても過言ではありません。
プロでさえリスクを転嫁することに腐心しているのに、そのリスクを買いましょうと
素人に 薦めることの欺瞞に気付くべきです。
投資がリターンを産む理論的根拠は人々(他人)が生産活動をして実体経済が
成長するから、と述べています。しかし今の時代「カネ余り」と言われるように
投資マネーが実体経済と比して桁違いに膨大で、実体経済の成長分を投資マネーに
公平に分配すると、ごくわずかなお金にしかなりません。
年率数%を得るだけでも、結局は人生を浪費するゼロ・サム・ゲームに参加する
ことになるのです。