このシリーズが2巻以降になってからというもの「いつ買うのをやめるか」
と迷いつつ、結局購入し続けてしまい、二度と開かないという状態が続いた。
しかし、ようやく!やっとドラマの中枢が、そうであるべきはずの
「光の君」と「その烏帽子子」の物語に移行し始めて嬉しい。
それにしてもここにたどり着くまでとてつもなく長かった…。汗
今回の優さん視点について、今野さん自身は「へたれ」と評しているが、
私はそうは感じない。ここにきて今まで全く何を考えているのかサッパリ
見えなかった柏木優という一人の青年が、本来完璧ではなく、様々な
表情やナイーブさを持つ人間だということが、この新刊には丁寧に描かれている。
思うに、優さんと祐麒の二人のエピソードを語るには、他の先輩や
小林が邪魔なのではないだろうか。今回の新刊のように、じっくり
二人が静穏な空間を共有し、弱さを見せ許し、許容していく過程こそが、
この「お釈迦様もみている」の本筋であるべきだと痛感する。
やっと優さんと祐麒の距離が縮まり始めた。これから楽しみな展開だ。
願わくば、このままのペースを崩さずに二人の関係を深く掘り下げてほしい。
ただ、ボーイズラブであるのか、少年二人の限りなく愛に近い友情であるのか…
コバルト文庫のジャンルの中途半端さが、長所か欠点か非常に
判断が難しい。そしてやはり、表紙は優さんと祐麒であるべきだったと思う。