ふだん見過ごしにされがちな日本語表現や語法について、実に厳しい
指摘が並ぶ。失うものは何もない、とばかりの筆致である。主張の
正当性を判断する立場には到底立てないことを前提とすると著者に
不本意ながら屈服させられるかというと、そうでもない。文体は比較的
軽やかであり(さすがは週刊誌で長期間続いただけある)、楽しく読める。
本にするにあたり、週刊誌読者からの意見へのフィードバックを載せて
いるのも興味ろみ(おもしろみ)を増す要素になっている。
競うことでないとはいえ、著者の指摘に頷ける回数は、読み手の言語
感覚をある程度表すものではないか。妥協しないよ、というその姿勢に
辟易する読み手もいるかもしれない。その意味では読み手を選ぶ本
ではある。