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お狂言師歌吉うきよ暦 (講談社文庫)
 
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お狂言師歌吉うきよ暦 (講談社文庫) [文庫]

杉本 章子
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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内容紹介

路考(ろこう)お粂(くめ)と謳(うた)われた水木歌仙の下で踊 りの稽古に励むお吉。十三で「歌吉」の名をいただいて5年、ようやく大名家の奥向きで踊りを披露するお狂言師の一座に加えてもらえることになった矢先、嫉妬した相弟子に小鋸(このこ)で頬に一生消えない傷をつけられる。そんな折、公儀の隠密より姉弟子を探れという密命が……。

内容(「BOOK」データベースより)

路考お粂と謳われた水木歌仙の下で踊りの稽古に励むお吉。十三で「歌吉」の名をいただいて五年、ようやく大名家の奥向きで踊りを披露するお狂言師の一座に加えてもらえることになった矢先、嫉妬した相弟子に小鋸で頬に一生消えない傷をつけられる。そんな折、公儀の隠密より姉弟子を探れという密命が…。

登録情報

  • 文庫: 368ページ
  • 出版社: 講談社 (2008/12/12)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062762242
  • ISBN-13: 978-4062762243
  • 発売日: 2008/12/12
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By maysuke
形式:単行本
狂言師とは、江戸時代に大名家の奥向きで狂言を演じることを職業とする者のこと。狂言は2〜3度見たことがある程度の自分が読んで面白い小説かな、と思い手にとりましたが、狂言師について丁寧に説明があり、またストーリー自体はひよこの狂言師であるお吉がお小人目付の手駒となって活躍する事件簿で、狂言のことをよく知らずとも面白く読むことができます。当時の駕籠屋の様子、はやりの食べ物、街を練り歩く行商の様子等、杉本章子ならではの繊細で的確な描写で江戸の情景が目に浮かぶような文章で、「狂言」のタイトルに尻込みせずに是非手にとって欲しい一冊です。
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By suihou トップ50レビュアー
形式:文庫|Amazonが確認した購入
杉本章子さんは「写楽まぼろし」以来、なんて文章のうまい作家だろう、ということで追いかけてきました。
今回は踊りの世界に生きるヒロイン歌吉を中心に、天保の改革前後の不安定な時代が描かれます。
彼女の実家である駕籠屋にはいりこんだ、お小人目付つまり隠密回りのふたりの武士に頼まれ、主計頭の妾である、踊りの姉弟子の動向を探ることを頼まれます。

最初は雑誌に連載された作品なので、このサスペンスドラマ、ひとつの章ごとに前提がくりかえされ、わかりやすくなっています。
老中水野忠邦をめぐる幕府内の勢力争いと、駕籠屋である歌吉の実家ふくめ市井の豪商たちの動きは、本来直接交わらないものなのですが、ヒロインの師匠歌仙の率いる「お狂言師」一座が大名家で芸を披露する、ということによって、この二つの階層が結ばれ、いろいろなことが見えてきます。
そのおもしろさがまずひとつ。

 あとは、やはり芸道小説としての面でしょうか。

 日舞を嗜むものとしては、要所要所にちりばめられた、お軽勘平の道行きとか、藤娘とか、玉屋とかの踊りがうれしいです。詞章をふくめて、所作の巧みな描写が、ヒロインの心情をあらわすと同時に、江戸の匂いというか、この時代らしい興趣をそそります。
 ことに歌吉は、相弟子のお糸に妬まれ、鋸で顔に傷を作られるという事件もあり、芸の修羅道も描かれています。
 
 そして、お小人目付のひとり日向に寄せる歌吉のほのかな恋心も読みどころ。
 
 前のめりに、次はどうなるのか、と事件を追ってページを繰らせるタイプの本ではないのですが、どんなことを書いても抜群の安定度で悠揚と読ませる、いわば完成された文体の小説です。流動体ではなく、彫刻のような。
 ここでは江戸は過度に情緒的ではない、どっしりとした歴史空間として描かれています。

 いろいろな角度から読み応えのあるシリーズです。
 
 

 
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