収納スペースはもとより、テーブルや床上にまで溢れ出したモノをどう整理し仕舞い込むかという「整理整頓マニュアル」はたくさんあるが、本書は家の中の片付けを流通でいうロジスティクスの原理原則に準え、その時使うモノをいかに使い易く使うかに着目して「成功するお片付け」を実現するという視点が新しい。
必要なモノを必要なだけ、決まった置き場所から出して使ってまた戻す。使わなくなったモノは捨てる。その流れが効率よく出来ればモノは自然に片付き、だからこそ必要なモノは積極的に買う。それでも部屋は片付くと言うのだから心強い。
ロジスティクスな片付けを実現する為のモノの置き場所、捨て場所の決め方、増やさない買い方、捨て方、そしていかにモチベーションを損なわずに実行していくかまで、実に丁寧に噛み砕いて説明している。
片付けの基本は不要なモノを捨てるところから始まるが、著者は「まずは使うモノだけ引っ張り出そう」と提言する。使うモノを除けた残りが使わないモノで、記念とか思い出になるモノ以外はなくてもいいモノ。
捨てる減らすではなく、使うということに主眼を置けば確かにそうなる。
実際、衣替えに合わせて夏服、冬服をこれで整理してみたら、いつもより断然早く片付いた。
特徴的なのは、平均的な家族が生活に必要とするモノを洗い出し、その大きさや必要とするスペースまで提示するなど、読者が実際に行う時の目安やとっかかりとなるよう、徹底したフィールドワークを実践しているところにある。
著者は以前にもライフステージに合わせた住み替えについて提言しているが、今回は家の中に視点を移して、生活様式に合わせた無理のない快適な暮らしのススメを提示してくれた。
詳細な手引き書だからこそやれそうな気にさせてくれる、そんな「お片付け読本」である。