江戸時代について書かれているが、いわゆる歴史ものというカテゴリーは非常に弱い。時代を省みることや昔の日本はこうだった、というような記述ではない。視点は庶民的、風俗から生活に結びついたものであり、かつて存在した江戸という地とそこに生きた人々の足跡をそっと感じ、思わず「なるほど」と再確認する。
知識がなくとも読めて、手軽さではある。しかし、それでいて薄っぺらくないものというのは実は相当難しい。が、この本に描写されている江戸(人)情景あり、筆者が見出すものの価値が多く、大きく、そして情緒的かつ文化を感じる。
難しいことや難しい文体で書かれていないため非常に読みやすい。そして何より江戸という地、江戸人を感じることができる一冊。