この本は、「ウルトラ金ちゃん」(4コマ)と、「ひみちゅの金ちゃん」(実話ショートストーリー)のミックス本になっています。
「ウルトラ金ちゃん」は、作者の二人のお子さんが、小さかったころのことをベースにした、ギャグ4コマで、「ひみちゅの金ちゃん」は、ひとり親である作者と、その家族の、現在の様子を、コミカルに描く作品です。
この両作品には、生きていくとはどういうことなのか、子供を作り、命を繋げていくということが、どういうことなのかが、色濃く描かれています。また、自らは老いて、朽ちていくということが、どういうことなのかも、暗に描かれています。
この本を読むと、生きるということは、決して、綺麗事だけで飾ることはできず、子供を育てるということは、幸せだけでなく、様々な困難を伴っており、でも、どちらも、挑戦するに値することで、いや、挑戦だなんて大げさなものではなくて、もっと自然な、ありふれた、多くの人が通る、価値ある道なのだ、ということが伝わってきます。
その、多くの人が通る道の、キラキラした部分と、重い闇のような部分を、さかもとみゆきは、可愛らしい絵柄と、明るい描写で、ポジティブに描いています。そして、重い闇のような部分から、どうやったら、重みを取り除けるのか、そこへ、どうやったら、光を差し込ませることができるのか、そのヒントも描いているのです。
これらは、さかもとみゆきという、一個人の実体験を通して語られていて、身近で、親しめる、共感できる内容となっています。
人生に疲れて、ふと、自分は何のために生きているんだろうかと、立ち止まった時に、この本を読むと、また、次の一歩が踏み出せるんじゃないかと、思います。
特に、育児で、くたくたになっている、お母さんが読むと、一杯のお茶のように、ふっと心を癒してくれる、清涼剤になるんじゃないかと思います。