1927年、アメリカ。ハリウッド女優の所望で犬を届けるためにイギリスからやってきた明るく活きのいいメイド、ケイト。アメリカでの身元引受人(?)は義理の叔父であり、元ロンドン警視庁の警部エドだ。イギリスで妻に先立たれ幼い子供を捨てるようにしてアメリカに渡った彼は、いまやニューヨークとハリウッドを活動の場にする写真家である。
そんな一行を待ちうけていたのが2大女優の怪死。果たして自殺か他殺か?ケイトにも降りかかる嫌疑。身の潔白を晴らし、真犯人を突き止めるためにケイトと犬(スパニエル)、元警部が謎解きに挑む。
無声映画からトーキーへの過渡期のハリウッド。華やかな世界の裏には足の引っ張り合いや嫉妬、裏切り、ゴシップなどがつきものだ。まさにドロドロの人間関係。しかし主人公のケイトの前向きな元気さ、イギリスから連れて来た犬、アビーの無邪気さが清涼剤になっている。無口で無愛想、無表情で辛辣、でも頼りがいのあるエドとケイトの掛け合いも楽しい。ふたりの先行きを期待しつつ読んだ。