【あらすじ】
徘徊する魔物、水不足に食糧不足……守護結界が失われた為に、あらゆる災厄に見舞われた
国を救うべく、神官であるリュシオンは異世界から勇者を召喚した。
召喚陣の中から現れたのは、入社式へ向かう途中だった為、ダークスーツに身を包んだ新社
会人の瑛一。
召喚術が成功したと喜ぶリュシオンだが、彼はとんでもないダメ勇者だった!!
「ムリ、ムリ、ムリ!」
国を救うなんて大層なことは出来ないと拒絶されたリュシオンは、元の世界へ帰るにはこの
国を救う他ないのだと説明し、何とか彼を説得する。
渋々ながらも協力してくれることになった瑛一は、ことあるごとに文句を言い、わがままし
放題。ダメ勇者に振り回されるリュシオンの受難が、ここから始まる――
【感想】
ダメ勇者に振り回される神官、という構図がとても面白くて良いのですが、この面白い設定
を余り活かしきれていないような気がしました。設定の割にコメディ要素が大人し目な印象
で、こういう設定なら、いっそもっとバカバカしく描いた方が突き抜けた感があって良かっ
たのではないかな……と思いました。
ストーリーは、結界の修復に必要なものを取りに行ったり探したり、とRPGをプレイして
いるような感じでした。一つのイベントをクリアしたら次のイベントへ……の繰り返しで、
ストーリーにメリハリがなかったです。
間に挟まれる合コンのエピソードも、文化の違いを利用した面白い展開を期待しましたが、
意外とあっさり終わってしまったので肩透かしでした。
深い設定も、友情も恋愛要素もなく、するすると話は流れていき、「あれ、これで終わりな
の?」という読後感でした。恋愛要素がないのは良いとしても、リュシオンと瑛一の友情は
描いても良かったのではないでしょうか。
読んだ後に何も残らないので、不完全燃焼でした。設定が面白いだけに、とても残念です。