神戸に明治・大正・昭和と限りなく大きく発展した総合商社「鈴木商店」があった。既に城山三郎氏によって、「鼠−鈴木商店焼打ち事件」というノンフィクションノベルが刊行されている。会社の経営の詳細などは、こちらに譲るとして、「お家さん」は、「お家さん」という女主人が自ら語るように、ゆったりとした播磨言葉で書かれた物語である。しかし、スケールがとてつもなく大きい。砂糖を扱う問屋が、樟脳、船、繊維、たばこ、酒類など、台湾、ヨーロッパ、アメリカへと、相手国と取扱う品目を広げていく総合商社へと成長。その一方で創業当時からの家族的な社風と忠義の心。鈴木商店の社員とその家族の物語である。
女性の生き様をダイナミックに描いた作品であると同時に、理想的な企業の姿を描いた作品でもある。両方の意味で、こんな時代だからこそ、多くの男性、女性に読んでもらいたい。関西では爆発的に売れているらしい。映画化の話もあるとか。