【あらすじ】
伯爵令嬢の藤ノ宮乙葉は、真性の吸血鬼であることを隠して女学校に通っている。
しかし、代任の理科教師・深谷欧介は、乙葉が吸血鬼であることに気付いていた。
吸血衝動を抑える薬の研究をしている彼は、彼女が吸血鬼であることを黙っている
代わりに、新薬の実験台になるように要求する。
家の体面を保つ為には、吸血鬼であることは絶対にバレてはいけない。
乙葉はしぶしぶ、彼の研究に手を貸すことを了承する。
艶本を堂々と読んでいて一見不真面目だけれど、その実、真摯でいざという時は
とても強くて頼りになる欧介。そんな彼に次第に惹かれていく乙葉だが、これが
恋なのか、それとも単なる血への欲求なのか戸惑うことに。
人口の二割が吸血鬼である大弐本帝國を舞台に繰り広げられる、レトロな吸血鬼物語――。
【感想】
お嬢様である主人公・乙葉も嫌みのない性格で、その相手である欧介も大人の魅力があり、
とても良かったです。
吸血鬼と言えば、中世のヨーロッパ辺りが似合いそうですが、日本を舞台に、とても雰囲気
のある文体で世界観を作り上げていて、全く違和感がありませんでした。
ただ全体的に地味ですので、華やかさを求める方には向かないと思います。
落ち着いた恋と大正時代をモチーフにしたレトロな雰囲気を堪能したい方には、お勧めしたい一冊です。