死についてもそもそと考えている昨今であるが、考えてみれば身内の不幸は幸いなことに十数年の間絶えてなく、病院や葬儀や火葬場や墓地といった死の現場に立ち会うことも長い間ないままである。そこで何が起きているのか、残された者として何をどうしたらいいのか、改めて問われてみれば何も知らない自分に気付かされる。
本書はそうした「お弔いごと」の諸相の現実と深層に切り込み、わかりやすく丁寧に解説してくれている。いずれ誰もが何らかの形でお世話になる現実を考えれば、ここに書かれていることを知っていて損はないし、実際読んで「目から鱗」の話がいくつもある。「いざそのとき」のたしなみを身につけるためにも、また「死というものが現実にはどのように扱われ、受け止められていくのか」ということを考えるためにも、非常に参考になる良書である。