刺激的なタイトルに引かれて購入した。どの世代もそうだが、特に全共闘・団塊世代は「過去を必要以上に語りたがる輩」と「触れたがらない輩」に二分される。どちらも20歳前後の体験が、飲み込んだ石のように体内でうずいているからだろう。
そんな先入観を持って読み始めた本書だが、著者の1人である「親父」はそのどちらでもなかった。過去を美化するわけでもなく、単純に否定するわけでもない。学生運動時代、すでに身につけていた知識と体験を基礎にし、その後のジャーナリストとしての研鑽と体験が驚くべき知的水準の世界を完成させている。
当時、東大全共闘の運動は「知性の叛乱」と形容された。全共闘活動家の「今だから話せる秘話」の暴露を期待した読者には退屈かもしれない第三章の国際政治経済の構造分析は、ある種の凄みを感じさせる。ジャーナリスト時代の「親父」の得意ジャンルでもあったようだが、哲学者・歴史家・国際アナリストもハダシで逃げ出すような冷静かつ分かりやすい分析である。たった2日間の対話で、これだけ濃い内容を喋りつくした「親父」の知性と、それを引き出した「息子」の潜在能力にも感心する1冊だ。