文章は平易で、個々の章の説明はわかりやすいが、話題がやや揺れ動いて読者は少し混乱する傾向も感じる。貨幣の歴史からみた現代のお金の意味(10年以上前の言い方をするならば記号論)、有名なジョン・ローの投機バブルから再び産業革命を経て、資本を投機するというリスクが資本主義の基本原理であること、投資がその資本主義の原理に即して経済を循環、活性化させるといった、専門家ならば当然の内容もある一方、経済人として個人の読者に対するアドバイスとしては株投資はアルバイト程度にとらまえ、本当の投資は自分の本業でより高い目標をめざす事、円安リスクに備え外貨をポートフォリオ分散すること、いざという時のキャッシュは2年分ぐらい(これは以前、別の本でも記していた)と言った内容で、読者は投資をして経済を活性化させようと提言しているのか、アルバイト程度にしておこうといっているのか、については論旨がわかりにくい。お金はコミュニケーションで自分で働くのではなく、人を働かせる事のできる手段だという記述の章はオリジナリティがあって興味を引いた。