半分がカラーページで筆者の撮った写真も多く掲載してあります。各地の美しい景観を楽しめるところが従来の鉄道紀行物よりも柔らかさを醸し出しており、それが読者に好評なのでしょう。
筆者のフォトライター・矢野直美さんは「女子鉄」の魁ということですが、車両編成にこだわるタイプではないですね。日本各地のローカル線の沿線風景や土地の人との触れ合いを中心に書かれている所をみると鉄道を通しての旅行エッセイのような趣を感じました。これなら一般受けするでしょう。特に女性ですので、聞かれている人も警戒感をといているようで、自然な会話と表情が旅の触れ合い感が強く伝わってきました。
昔、宮脇俊三氏の一連の著作で見知ったローカル線はほとんど第3セクター化されて運営いています。東日本の23路線を取り上げていますが、土地の風情を感じさせるユニークな企画や催し物も紹介してありますので、飽きずに最後まで読了できました。
本書の取り上げた路線と内容です。
北海道 JR宗谷本線―旭川発パリ行き「夢の大陸鉄道」が出発
長野 上田電鉄別所線―温泉行き「青春電車」は今日も、お花畑を快走中!!
北海道 JR日高本線―のんびり各駅停車、サラブレッド鉄道を行く
新潟・福島 JR磐越西線―『SLばんえつ物語号』が行く
岐阜 明知鉄道―昔なつかしいものがいっぱいの「動く鉄道博物館」
千葉 銚子電鉄―駅員さんは踏切も直します。「ぬれ煎餅」も焼きます!?
青森 津軽鉄道―津軽の冬を疾駆する「ストーブ列車」
静岡 天竜浜名湖鉄道―まんぷく鉄道、いただきます!
群馬・栃木 わたらせ渓谷鐵道―渓谷沿いのトロッコ列車で森林浴
岩手 JR岩泉線―山岳鉄道は青春列車!〔ほか〕