主人公は中学生の男子。
お受験を突破し、東大一直線の中高一貫校へ進学するが、
親の逮捕で家族が解体、
叔母の経営する北海道の児童養護施設に預けられ、公立中学へ転校する。
その共同生活を通じて、主人公が精神的に成長していく物語。
著者の熱いメッセージが、がっしりと届く。
物語を通じて、児童養護施設の現状や抱えている問題など、
さまざまな形で存在する差別について、伝わってきた。
それらは、エピソードにしないで、説明的に書いてあるので、
小説を読まない人、苦手な人にも、ばしんとテーマが伝わる。
小説好きな人には、そこが弱いかもしれない。
この小説の場合、物語うんぬんもさりながら、語られる内容のほうが重要だと思った。
学校との話し合いの場面は、「青い山脈」を思い出した。
メッセ―ジとしてはものすごく正しいのだが、小説としてはどうなのか、ということ。
主人公がいろんな意味でできのいい子で、判断力、行動ともにまっとう。
子どもにも安心して読ませられる。