新編日本古典文学全集(小学館)の『住吉物語 とりかへばや物語』の月報に、山中恒さんが寄稿していて、それによれば、『おれがあいつ…』を書いた時点では、『とりかへばや物語』のことを知らなかったそうです。てっきりあれの現代版と思っていましたが。
そうはいっても、これは人格転移の話だから、『とりかへばや物語』とはやはり違いますね。
性を意識し始めるころの、ある程度は知っているけれどもよくは知らない、その微妙な時期の子どもの心理が、ユーモラスに書かれています。その微妙さがいいですね。誰しも体験する、甘酸っぱいころの思いがよみがえります。