堀井さんファンなら、誰もが「やっぱりいいなあ」とじんわり思ってしまう一冊。本の装丁も、思わず手に取って眺めてみたくなるような写真も素敵です。
私は特にこだわって料理したりお菓子を作ったりすることはなく、パンも焼いたことがない食いしん坊ですが、堀井さんの食べ物に懸ける情熱(?)がしっかりと伝わってきます。ホームステイした時に出された料理やデザートの記憶とか、外国で食べ歩いたチーズケーキの記録ノートとか。クレープとかホットケーキなどの粉ものは、弾力のある方がいいとか生地に“陽気なコシ”を求めるとか。
「やっぱり好きだなあ」と思ったのは、クレープの写真。はしっこの方がちょっと破けているところや、気泡でぶつぶつになっているところ、黒いフライパンに載せられた、焼きたてきつね色のクレープ。ニコニコしているようなお菓子、とは堀井さんの表現ですが、思わず顔がほころんでしまう内容になっています。もなかの皮のデザインにひかれる部分には、日々をゆっくり丁寧に過ごすだけでなく、何にでも興味惹かれる子どものような目線がうかがえます。