浅野いにお作品は割と読んでいるが、この作品はいまいち。
この作者の、若さゆえに世の中を達観してしまったという言葉で要約できるような世界観にひかれる時もあります。
それに、どの作品かは忘れましたが、漫画かのあとがきで「それでも漫画を描き続けています」といったセリフ(正確な引用ではない)を書いていたと思うけど、その姿勢は評価できました。
でも、達観するのは若さゆえものだと早く気がついて、そこから成長しなくちゃ飽きてしまいますよ。
絶望したようなしていないようなぬるい若者のモラトリアムでの気持ちの描写はうまい。
それはおそらく作者がそういう時代を過ごしたからだと思います。
といっても、それ以外の登場人物、特にもっと上の世代の大人の描写はあまりにも浅いです。
デフォルメされる先生や無職のおじさんはそんなに浅い悩みだけでは生きていません。子どもから見たうざい先生も自分のうざさに気が付いている訳だし、そのうざさをなぜやめられないかを一生懸命考えて生きています。そういうそれぞれのキャラの厚みのようなものがまったくないので、トータルとして見たときの物語に説得がなさすぎます。
少しづつでいいから成長してほしい。