ここにきて何故に「0」かと思ったが、『オフィシャルガイドブック』のサブタイトルが示すように、来るアニメ化までの布石的作品である。各キャラの設定資料集や名場面の紹介といった項目が挟まれるが、本編をしっかり読み込んでいる諸兄にはさして必要性が生じないので、本作のポイントはアンソロジー部分となろう。ここで大胆というか思い切ったところは、原作者自身の短編漫画が最も少なく、サブストーリーではあるが、本編に広がりと深みを持たせるであろう凛子やくえすの過去話を他の作家に委ねていることである。くえすの過去話が意外にシリアスでダークだったのはちょっと驚いた。あと、当然ながら、みかづき紅月女史は小説なので、漫画本の中に小説が入っている体裁となっている。それぞれの作者が独自の発想、解釈を加えているが、原作者の完全監修であり、公式見解との事。そして、本編第1巻〜第5巻までのあらすじが書かれた『コミックだいじぇすと』での、原作者の各巻毎のコメントが興味深い。ある程度の巻数で終わるつもりだったのが編集部からの連載延長要請によって長期シリーズ化され、これにより物語の流れも少し変わっていく、という経緯(良い意味での“オトナの事情”)が記されている。