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さらにこの本で、キリスト教の影響下にある「西洋の哲学には、どうもまともな時間論が無いらしいのです。時間は神様のものであって、われわれが考えてもはじまらないということで、深い考察の対象になってこなかった」(p.177)あたりは感心した。例えば、老人と子供では体内に別な時間が流れているというのは実感できると思うが、アメリカなどでは、みんな同じ時間が流れているということが前提となっているので、老人となった元英雄が再び宇宙旅行に出かけたりするデモンストレーションが行われることになるわけだ。
半分近くが永平寺に招かれた際に行った『正法眼蔵』に関する講演。本川さんによると、動物はそれぞれ独自の時間を生きていることになるが、それを敷衍すると、ひとりひとりが違った時間を生きていることになる。そして道元が解脱したときの「身心脱落」について、「自分の次元にいつもとらわれていますから、世界が全部その次元でできているとしか見えない。パッと自分の次元が落っこちてしまった時に、違った生きものの、それぞれの次元が浮かび上がってくる、そういう話なのか」(p.204)と考察するあたりが、この本のピーク。
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